土地活用は全くの資金なしではできません。でも、土地さえ持っていれば、活用できる方法はあります。資金なしで土地活用をするための5つのテクニックを紹介します。

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更新日
2023.08.17
カテゴリ
土地活用, 記事

資金なしで土地活用はできる?5つの方法をやさしく解説

資金なしで土地活用はできる?5つの方法をやさしく解説

土地オーナーの中には、資金なしでも土地活用を行う方法はないか、探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

昨今は土地活用のための融資も厳しくなっていますし、資金もなく土地もない方が土地活用をするのはとても難しい状況です。
ただし、良い土地を持っている方の場合は、1円も出さずに土地活用ができるようなケースもあります。

では、資金がなくても土地活用をする方法にはどのような手段があるのか、気になりますよね?
そこでこの記事では、資金なしがなくても実行可能な5つの土地活用について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、お持ちの土地を上手に活かすための知識としてください。

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詳しい解説は以下

1.土地活用は資金なしでできなくなった理由

まず最初に、近年、フルローンで土地活用をすることは難しくなっていることについて、お話しします。
難しくなった理由としては、2015年1月から相続税法が改正されたことにより、相続税の課税対象となる方が増えたことが遠因です。

相続税の強化により、2015年前後にはアパートを建築する方が一気に増え、アパートの供給過剰が社会問題となりました。

それに伴い、2016年12月頃より金融庁が銀行に対しアパートローンの安易な貸し出しをしないように監視強化をし始めました。
さらに、2018年にはスルガ銀行の不正融資問題が発覚したことから、投資用不動産向け融資に関する金融庁の監視が一層強化されています。

このような状況を受け、近年はアパートローンをはじめとする不動産投資ローンが組みにくくなっています。

最低でも自己資金を10%は用意していないとローンを組みことができなくなっているため、フルローンによる土地活用は極めて難しい状況です。
自己資金なしでの土地活用は、そもそもできない状況となっているのです。

2.資金なしで土地活用をする5つの方法

この章では、「土地はあるけれど資金がない」というパターンで土地活用をする5つの方法について解説します。

2-1.収益物件に買い替える

資金なしで土地活用をする場合、その土地を売却して収益物件に買い替えれば、家賃収入を得ることができます。

今持っている土地が賃貸事業に向かなくても、売却することさえできれば買い替えを実現することが可能です。

土地を売却すれば、一旦、自己資金となる現金を作ることが可能です。
収益物件を購入する際は、自己資金が3割、借入金が7割とすると適正な借入額となります。

例えば、土地を売却して3,000万円を得た場合、追加で7,000万円を借りて1億円の収益物件に投資をすることも可能です。

買い替えのメリットは、立地条件の良い物件に買い替えられるという点です。
選ぶ物件次第では、今の土地で土地活用をするよりも空室リスクを抑えることができます。

ただし、買い替えでも購入物件で過剰な借入を行えば借入金返済のリスクが高まります。

買い替えのメリットを生かすには借入金が投資額の7割を超えないように抑えることが必要です。

一方で、土地を売らなければいけないという点はデメリットとなります。
先祖から代々受け継いでいる土地で心理的に売りたくないような場合は、実行しにくい方法です。

尚、買い替えでは、特定事業用資産の買換え特例を利用すると、発生する税金を押さえながら他の資産に買い替えることができます。

特定事業用資産の買換え特例とは、個人が2022年12月31日までに事業用の土地等を売却して、一定期間内に特定の土地建物等の資産に買い替えた場合、譲渡所得の一部に課税の繰り延べ(先送り)が受けられる特例です。

買い替えを行う場合には、特定事業用資産の買換え特例も上手く活用しながら、支出を抑えて行うようにしてください。

ちなみに、土地を売却するなら、「不動産売却 HOME4U」が便利です。
複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができるため、どの会社が高く査定してくれるのか、簡単に比較することが可能なので、売却する際にはぜひご利用になってみてください。

2-2.暫定利用を行う

資金なしで土地活用をする場合、暫定利用を行う方法もあります。
暫定利用とは、時間貸し駐車場や野立て看板用地等の一時的な利用の土地活用のことです。

多くの暫定利用は、初期投資額を抑えて行うことができますので、自己資金のない方でも取組みやすくなっています。

暫定利用の中では、時間貸し駐車場が比較的収益性の高い部類の活用方法です。
時間貸し駐車場には、アスファルト舗装をしたうえで貸す「施設貸し」とアスファルト舗装をせずに貸す「土地貸し」の2種類があります。

土地貸しを選択すれば、アスファルト舗装費用も不要となるため、お金を全くかけずに暫定利用をすることが可能です。
ただし、土地貸しは施設貸しよりも賃料は低くなります。

暫定利用は、当面の間、時間稼ぎができるという点がメリットです。
暫定利用をしておけば、その間、資金を貯めることができ、将来的に資金を持ったうえで土地活用をすることができます。

また、先祖から引きついた土地を売らずに済みます。
新たなチャンスをうかがいながら時間を稼げるのが暫定利用のメリットです。

一方で、暫定利用は収益性が低いことがデメリットとなります。
何もやらないよりはマシという程度なので、あくまでも一時的な利用に留まります。

なお、駐車場経営を検討されている方は、「HOME4U 土地活用」を使えば、複数の事業者から賃料の見積りや収支プランの提案を受けることが可能ですので、ご利用になってみてください。

2-3.借地事業を行う

駅前一等地の大きな土地を持っているようなケースでは、事業者から借地のオファーがあり、資金なしでも土地活用をすることができます。
借地で土地活用を行う場合、主に事業用定期借地権による借地事業が一般的です。

借地では、事業者が自ら建物を建てるため、土地所有者は一切お金を払わずに土地活用することが可能です。
土地所有者は、建物所有者から地代収入を受けることになります。

土地を貸す借地には、大きく分けて普通借地と定期借地の2種類があります。
普通借地とは、更新のある借地です。
それに対して、定期借地とは契約期間満了時に確定的に借地が終了する借地権です。

普通借地で土地を貸してしまうと、実質的に土地オーナーからの借地契約の解除ができなくなり、半永久的に土地を貸すことになります。

普通借地は土地を自分の元に取り戻すことができなくなってしまうことから、土地活用の事業としては不向きな借地です。

一方で、定期借地権であれば、契約期間満了時に確実に土地を取り戻すことができるため、安心して土地を貸すことが可能です。
そのため、土地活用で借地をする場合には、定期借地で行うことが一般的となります。

定期借地権には、「事業用定期借地権」、「一般定期借地権」、「建物譲渡特約付定期借地権」の3種類があります。

この中で、「事業用定期借地権」は、借地期間も短く、比較的地代も高いことから土地オーナーに最も人気の高い事業となっています。

事業用定期借地権は、名前に「事業用」と付いているように、店舗やホテル、オフィス、工場等の事業のように供した建物の借地です。
賃貸マンションのような居住用建物の借地は、一般定期借地権となります。

事業用定期借地権では、相当地代と呼ばれる地代を受領することが一般的です。
相当地代とは、地代の定価を意味するような言葉ですが、年間地代が更地価格の6%程度だと相当地代になるとされています。

実務上は、更地というのは相続税路線価をベースにした土地価格です。
相続税路線価の6%を地代としてもらえるため、借地事業にしてはかなり高い地代を受領することができます。

定期借地事業では、事業者が自ら建物投資をしてまで借地をするため、撤退リスクが相当に低いこともメリットです。
また、土地所有者は建物所有者ではないことから、建物の修繕費等の負担も不要となります。

ただし、定期借地権の地代でも、建物の家賃と比べると収入は低いという点がデメリットです。
多くの収入を得たい場合には、やはり建物を保有するような土地活用を行う必要があります。

2-4.等価交換を行う

大手不動産会社が欲しがるような好条件の土地であれば、等価交換という方法で資金なしの土地活用をすることができます。

等価交換とは、大手不動産会社等が土地の上に建物を建て、竣工後に土地と建物を等価で交換する方式の土地活用です。

等価交換では、土地所有者は一切資金を支出する必要がありません。
等価交換は、主にディベロッパー等の大手不動産会社が土地活用の話を土地オーナーに対して持ち掛け始まる事業です。

等価交換は、分譲マンションを建てるようなときに使われることもありますが、オフィスビルや商業ビル等の収益不動産を建てるときにも利用されることがあります。

建物の企画やテナントの誘致は全てディベロッパーが行いますので、土地オーナーはほとんどやることはありません。
プロが企画した建物の所有者になれるため、失敗リスクも低い点がデメリットです。

等価交換では、一旦、ディベロッパーが建物資金を全部拠出して建物を竣工させます。
竣工後、建物と土地の価値を等価で交換します。

例えば、土地価格が6億円、建物価格が4億円の場合は、完成後の土地オーナーの所有割合は、土地が60%、建物が60%ということになります。

等価交換事業では、土地オーナーは建物の一部所有者にもなります。
また、建物資金を拠出したディベロッパーも土地の一部の所有者となります。

一つの土地と建物を、複数の所有者で所有することになりますので、権利関係は複雑となってしまう点がデメリットです。

等価交換後は、土地に関しては共有とすることが多いです。
一方で、建物に関しては区分所有で分ける場合と、共有とする場合があります。

区分所有とは、いわゆるマンションと同じ形式の所有形態です。
建物を区分にしておけば、将来売却するときに単独の意思で売却できるというメリットがあります。

ただし、区分所有している部分に空室が生じれば、その空室は区分所有者がそれぞれ自力でテナントを埋めなければいけないというデメリットがあります。

建物を共有にしておけば、ビル全体の家賃収入を持分割合に応じて案分することができます。
入居者の募集もディベロッパーに全て任せることができるのがメリットです。

ただし、共有の場合、将来売却するときに共有者全員の同意が必要となるデメリットがあります。

ディベロッパーは、相手方が個人の場合、相続によって共有者が増える可能性があるため、竣工後は区分所有の形式を求めてくることが多いです。

等価交換では、竣工後の所有形態をディベロッパーと協議しながら決定していく必要があります。

2-5.建設協力金方式で行う

郊外の土地でも、ロードサイド店舗に適した土地であれば、建設協力金方式によって資金なしでも土地活用をできることがあります。

建設協力金とは、テナントが建物資金を土地オーナーに融資して、家賃の中からテナントへ建設資金を返済していく方式の土地活用です。

建設協力金方式は、主にコンビニやホームセンター等のロードサイド型店舗等の一棟貸しで見られる土地活用となります。

テナントといっても、商業テナントの場合、資金力のある大手の一流企業であることが多いです。

大手のテナントは、自分たちが出店したい土地に目星をつけ、土地オーナーに話を持ち掛けて建設協力金によって土地活用の話をまとめます。

通常の土地活用では、土地オーナーは銀行から融資を受けて建物資金を調達します。
テナントから支払われる賃料の中から、建設資金を銀行に返済していく方式が通常の土地活用です。

一方で、建設協力金であれば、銀行からお金を借りるわけではないので、銀行の融資審査は不要です。

建設協力金の融資は金利が低く、かつ、融資期間も長期となっており、銀行の融資よりも有利な条件で建物資金を借りることができる点がメリットとなります。

建設協力金方式は、借地と勘違いする方も多いですが、借地ではありません。
建物所有者は、土地所有者と同じであり、銀行の役割の部分をテナントが担う形となります。

テナントの立場からすると、自分が頑張って賃料を支払わない限り、貸したお金が返ってこないことになります。
そのため、建設協力金方式では、基本的にテナントの撤退リスクは低いです。

ただし、コンビニのような小さな建物の場合、建設協力金方式でも撤退してしまうことがあります。

建設協力金方式で徹底されてしまうと、空き家の状態なのに建物資金をテナントに返済し続けなければいけないことになります。

そこで、建設協力金方式の場合は、融資を完済する前に撤退する場合、撤退時に残る融資額をテナントに放棄させる契約を結ぶことが一般的です。

つまり、テナントは途中で撤退した場合、まだ返してもらっていないお金が返ってこないことになります。
融資の残額を返してもらう権利を放棄することを、債権放棄と呼びます。

賃貸借契約において、債権放棄の条項を加えても、それでも希にテナントが撤退してしまうことはあります。

その場合、テナントは債権放棄をしてくれるのですが、土地オーナーには債務免除益という利益が生じてしまいます。

例えば、撤退時の融資の残額が3,000万円だった場合、テナントに3,000万円を債権放棄されると、土地オーナーは3,000万円をもらったという扱いになるのが債務免除益です。

債務免除益は、会計上の利益であるため、土地オーナーには税金が発生します。
土地オーナーは、テナントから借りたお金は建物建築時に既に使っていますので、債務免除益が発生する時点では、お金がないのに税金だけがかかることになります。

建設協力金方式は、資金なしで土地活用ができるとても良い方式ですが、撤退時の債務免除益だけは大きなデメリットです。

特にコンビニの一棟貸しなどの小さな建物で建設協力金方式を採用する場合は、撤退時のリスクは頭の片隅に入れておくようにしてください。

まとめ

いかがでしたか。
資金なしの土地活用について解説してきました。

ここ数年は、金融庁が銀行のアパートローンの監視強化をしたことから、資金なしでは融資を受けられないため、土地活用はしにくくなっています。

資金なしで土地活用をする方法としては、「収益物件に買い替える」、「暫定利用を行う」、「借地事業を行う」、「等価交換を行う」、「建設協力金方式で行う」の5つの方法があります。

このうち、「借地事業」と「等価交換」、「建設協力金方式」は事業者からのオファーがあることが前提となる土地活用であり、良い土地でない限りできない選択肢です。
事業者からのオファーがないような土地に関しては、「収益物件の買い替え」や「暫定利用」が資金なしで土地活用を行う場合の選択肢となります。

いずれにしても、良い土地でない限り自己資金なしで可能な土地活用方法はありませんので、土地活用をするのであれば、まずは自己資金を貯めることから始めるようにしてください。

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